ウーパールーパーは絶滅危惧種!2つの原因と保護活動についてご紹介
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日本国内ではペットとして人気が高い、ウーパールーパー。実は絶滅危惧種であることをご存じでしょうか。
ペットとして販売されている個体がいる一方で、野生の個体は減少しているようです。
本記事では、絶滅危惧種であるウーパールーパーについて知ってもらうために、絶滅危惧種となった背景や保護活動についてご紹介します。
また、ウーパールーパーをペットとして飼育することや食用にすることについて、疑問に思う人もいるでしょう。
よくある疑問と回答も紹介しているので、ウーパールーパーについて知りたい人はぜひご覧ください。
ウーパールーパーは絶滅危惧種?
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ウーパールーパーとは、サンショウウオの仲間であるメキシコサンショウウオ(メキシコサラマンダー)のことです。原産国であるメキシコでは『アホロートル』と呼ばれ、『水に遊ぶもの』という意味があるのだとか。
ウーパールーパーは、イモリなどと同じ両生類の肉食動物です。再生能力が高く、体の一部を失っても再生して生き延びられるといわれています。
色素の薄い見た目がかわいらしく、日本ではペットとして人気がありますが、本来は黒や褐色の姿をしているそうです。
白色やピンク色の体をした個体は、人工繁殖によって色を選別されているのだとか。
また、ウーパールーパーは子供の姿をしたまま成体に成長することが特徴だといわれており、サンショウウオの幼生に見られる大きなエラが、成体になっても残っているそうです。
なお、ウーパールーパーは国際自然保護連合(通称:IUCN)のレッドリストにおいて『絶滅危惧種』に指定されている動物です。
IUCNレッドリストは、世界における生物多様性の健全性を示す重要な指標で、動植物の種類ごとに絶滅の恐れがどの程度あるかを評価し、カテゴリー分けを行っています。
ウーパールーパーは『深刻な危機CR』に分類されており、野生では極度に高い絶滅のリスクに直面しているようです。自然界での生息数が減少しているため、生息数を増やすための活動が進められています。
黒や褐色をした野生のウーパールーパーは絶滅危惧種です。ペット用の白色やピンク色の体をしたウーパールーパーについては細かく指定されていませんが、ここでは『ウーパールーパーは絶滅危惧種である』として話を進めます。
なお、日本にも野生のサンショウウオは生息していますが、野生のウーパールーパーはいないのだとか。
そのため、日本の川や湿地などにウーパールーパーに似たような動物がいれば、それはペットとして飼っていたウーパールーパーを放したものか別種類のサンショウウオの幼生かもしれません。
ウーパールーパーが絶滅危惧種となった2つの原因
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ウーパールーパーが絶滅危惧種となった原因は、主に次の2つが挙げられるようです。
これらは、メキシコ各地の急速な大都市化によって引き起こされ、ウーパールーパーの生息数の減少に大きく影響しているといわれています。
1.水質汚染
メキシコでは観光客の増加による建設ラッシュやマングローブの破壊、汚染物質の水路への流出など、各地でさまざまな原因による水質汚染が続いているようです。
水質汚染が進んでいるのは、ウーパールーパーの生息地であるソチミルコ湖も例外ではありません。開発と都市化によってソチミルコ湖が埋め立てられ、そこにメキシコ市からの生活排水が増えたことで水質が汚染されてしまっているようです。
2.外来種の侵入
ウーパールーパーの生息地であるソチミルコ湖では、コイやティラピアなどの外来種によって生息数が減少しているといわれています。
コイは水草から貝類までなんでも食べる魚です。また、ティラピアも雑食性で、植物性プランクトンから小魚までなんでも食べます。ウーパールーパーも、コイとティラピアの捕食対象なのだとか。
コイはウーパールーパーの卵を食べ、ティラピアはウーパールーパーの幼生を食べるようです。また、ウーパールーパーの成体とティラピアは共通のエサをめぐって争うため、ウーパールーパーの生息数が減少したと考えられています。
絶滅危惧種であるウーパールーパーについてよくある疑問
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ウーパールーパーは絶滅危惧種であるにもかかわらず、日本国内ではペットとしての人気が高い動物です。
そのため「ウーパールーパーは絶滅危惧種なのに食用にして問題ないのかな?」という疑問を持つ人もいるでしょう。
本章では、そういった疑問への回答を紹介します。
ウーパールーパーは絶滅危惧種なのにペットにしてよい?
ペット用として人工的に繁殖させたウーパールーパーであれば、ペットにして問題ありません。日本国内のペットショップなどで購入できるウーパールーパーは、ペット用として日本国内で繁殖されたものです。
野生のウーパールーパーは外敵に見つかりにくいよう、体が黒や褐色など地味な見た目をしています。
しかし、ペット用のウーパールーパーは、体や目が主に白色のアルビノや、ピンク色の体に黒い目をしたリューシスティックなどの種類が存在し、品種改良されているそうです。
なかには黒っぽい色をした個体もいるようですが、ペット用として繁殖されたものであればペットにして問題ありません。
なお、野生のウーパールーパーは絶滅危惧種です。そのため、輸出が禁止されています。日本には生息していないため、野生のウーパールーパーとして販売されている個体を見つけても、ペットにしてはいけません。
ウーパールーパーは絶滅危惧種なのに食べてよい?
ペットとして飼育される一方で、食用に繁殖されているウーパールーパーもいます。
ウーパールーパーは、原産国であるメキシコの一部の地域では食材として利用されており、15世紀頃から食べられていたようです。
日本では2025年6月現在、東京、神奈川、大阪にウーパールーパー料理を提供している飲食店があるとされ、そこで提供されているのは食品用に管理されたウーパールーパーなのだとか。
なお、食べてよいのは食品用のウーパールーパーのみで、ペット用のウーパールーパーを食べてはいけません。ペット用のウーパールーパーは食用とは異なり、適切な衛生管理がされていない可能性があるため、細菌や感染症などのリスクが高いそうです。
絶滅危惧種であるウーパールーパーを守る活動
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絶滅危惧種であるウーパールーパーを守るために、メキシコでは次のような活動が進められています。
遠いメキシコの話ですが、他人事と思わないことが大切です。日本のサンショウウオを守るために、私たちも環境への配慮や保護活動を進める必要があるでしょう。
メキシコの研究チームによる放流
2025年4月、メキシコの研究者たちにより、飼育下で繁殖したウーパールーパーを復元湿地や人工湿地に放流しても生存できる可能性があることが発表されました。
発表によると、放流前に『リリース前トレーニング』を行って捕食者の認識と対応を学ばせることで、生存率を高められる可能性があるとのことです。
哺乳類、鳥類、魚類に関する研究によると、飼育下で生まれた個体は野生に放つ前に適切な訓練を受けることで、捕食者の認識と対応が学べるとされています。
このことから、ウーパールーパーにおいても放流前に事前トレーニングを行うことで野生復帰の成功率が高まる可能性があると考えられているようです。
放流後に鳥や魚などの外敵に捕獲される可能性もありますが、放流前にトレーニングを行うことで捕食される機会の減少と、野生下での長期生存につながる効果が期待されています。
伝統農法で新しい住処を作る活動
15世紀以前に盛んだった『チナンパ農法』という伝統農法の復活により、ウーパールーパーの生息地を確保する活動も行われています。チナンパとは、水草などを積んだ人工の浮島のことで、チナンパの上で作物を育てる農法が過去にあったそうです。
チナンパはウーパールーパーが身を隠すのに適した場所だといわれており、チナンパ農法の衰退もウーパールーパーの生息地の減少につながっている可能性があるのだとか。
そのため、チナンパ農法を復活させることでウーパールーパーが生息できる環境が整い、数が増やせると考えられているようです。
ウーパールーパーの生息地を増やすために行っているのは、伝統農法の復活だけではありません。
チナンパ農法の農業従事者を『メキシコサンショウウオに優しい』と認定することで、環境意識の高い消費者向けに農作物を高価格で販売するプログラムに取り組む試みもあるようです。
外来魚の駆除
ウーパールーパーの生息地であるソチミルコ湖では、チナンパ保護区プロジェクトの一環として水路にフィルターが2種類設置されています。
重金属などの汚染物質の流入を防止するほか、天敵であるコイとティラピアが入り込めないようになっているようです。
このようにメキシコでは、絶滅危惧種であるウーパールーパーを保護するためのさまざまな取り組みが行われています。
ウーパールーパーは絶滅危惧種に指定されている
かわいらしい見た目からペットとして人気のウーパールーパーですが、絶滅危惧種に指定されています。原因として考えられるのが、水質汚染や外来種の侵入です。
そのため、原産国であるメキシコではウーパールーパーの保護のために放流や伝統農法の復活、外来魚の侵入防止策が行われています。
ウーパールーパーは日本では人工繁殖個体が流通していますが、野生個体の輸出は禁止です。そのため、野生のウーパールーパーとして販売されている個体を見つけても、絶対にペットにしないでください。
なお、絶滅危惧種に指定されているのはウーパールーパーだけではありません。日本に生息するサンショウウオも、絶滅危惧種に指定されている種類がいくつかあります。
ウーパールーパーが絶滅の危機に瀕していることを他人事とは思わず、日本の固有種も守っていきましょう。
[文・構成/grape編集部]