地震直後の「うち揺れた!」投稿は危険? SNSに潜む“防犯リスク”を元警察官が解説
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grape [グレイプ] issues
地震が起きると、つい「私が住む地域が揺れた!」「○○市は大丈夫?」とSNSに投稿してしまう人は多いでしょう。
しかし、その何気ない投稿が、思わぬ『危険のサイン』になってしまうことがあると知っていますか。
大規模災害時は、警察官が各地へ応援派遣され、警戒活動を行います。
元警察官の筆者がその時、痛感したのは『大災害の後ほど、空き巣や侵入盗が増える』という現実です。
避難=不在情報となる!災害時に増える『空き巣』被害
災害時は家が倒壊する恐れがあり、避難で家を留守にすることも多くなるでしょう。
不謹慎極まりないことですが、そのような時に犯罪は増加します。
避難している人が多い地域ほど「家が留守だ」と狙う犯人が現れるのです。
SNSで「避難しています」「停電中です」などと投稿すると、それは犯罪者に「今、家にいません」と伝えているようなもの。
投稿した写真に写り込んだ背景や建物から、住所を特定される可能性もあります。
地震直後にSNSへ投稿する行為は、自らの不在を知らせるリスクをともなうのです。
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地震投稿から自宅が特定される『ストーカー被害』のリスク
「○○区、すごく揺れた!」というSNS投稿は、自分が住んでいる地域を知らせてしまうことにつながります。
ストーカー被害の中には、投稿内容や写真の位置情報、建物の外観などから生活圏を割り出されてしまうケースも少なくありません。
地震のような緊急時は気が緩みやすく、普段よりも警戒心が薄れるタイミング。
だからこそ、リアルタイム投稿は控えることが大切です。
撮影:grape編集部
災害時、犯罪者に狙われないため6つの具体策
災害時の発信そのものが主題ですが、被害を防ぐ具体的な行動をまとめます。どれも筆者の現場経験に基づく、すぐできる対策です。
1.リアルタイムでの位置情報・状況投稿を避ける
揺れた直後の「ここにいます」「避難中」などの投稿は不在を明かすことになります。投稿は安全を確保してから、時間をおいて行いましょう。
2.写真を投稿する前に背景チェック
建物名、看板、電柱の番号、駐車場の位置など、場所を特定されうる要素が写り込んでいないか必ず確認します。必要ならトリミングやモザイク処理を。
3.スマホの位置情報(メタデータ)を削除する
カメラが付与するGPS情報は写真に残ることがあります。共有前に位置情報をオフにするか、メタデータを削除してください。
撮影:grape編集部
4.公開範囲を限定する・プライバシー設定を見直す
投稿の公開範囲を『全体』ではなく『友人のみ』『限定公開』にするだけでもリスクは下がります。平時から設定を確認しておきましょう。
5.外出・避難中は玄関の施錠、目につきやすいところを片づける
物理的な対策です。短時間で戻る場合も、必ず施錠をしてください。見えやすい場所に高価な物を置かない、窓はカーテンを閉めるなどで侵入をためらわせます。
6.信頼できる数人にのみ安否を伝える
安否情報はまず家族や近隣の信頼できる人に直接連絡を。広く公開する前に、仲のよい知人へ個別に伝える方法が安全です。
これらはどれも手間のかかる大掛かりな対策ではありません。「ちょっと待つ」「ひと手間かける」だけで、狙われるリスクはぐっと下がります。
投稿するよりも身の回りの確認を!
SNSは便利なツールですが、災害時は使い方を誤ると『犯罪の入口』にもなりえます。
地震が起きた時は、まず自分と家族の安全を確保し、被害を防ぐためのひと手間に注力してください。
『発信』よりも『確認』を…それが、命と暮らしを守る第一歩です。
記事執筆 りょうせい
元警察官。警察歴10年。
交番勤務を経て、生活安全課の捜査員として勤務。
行方不明やDVなどの「人身関連事案」を対応しつつ、防犯の広報・企画業務を兼務。
現在は警察の経験を生かし、Xや音声配信(StandFM)にて、防犯情報を発信中。
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[文・構成/りょうせい]