新橋繁華街の地下に存在する旧新橋駅ホーム 今では驚きの施設となっていた
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いったいどこにある? 幻のホーム
ここでひとつ疑問が。幻のホームといっても、具体的に新橋駅のどの辺にあるの?
現在使われているホームと、幻のホーム。いったいどういう位置関係となっているのでしょうか。
そのヒントとなるものが、さきほど入った会議室の壁にありました。
昭和14年8月3日の新聞のコピーです。この記事によると「地下鉄と高速線と四年目に直接連絡 中旬から漸次簡便に」とあります。
上の図をよく見てみると…
「省線新橋駅」とあるのが、現在のJR山手線新橋駅。そして、路面の下は、ホームが二階建てになっており、地下一階に「高速度ホーム」とあります。
実はこれが「幻のホーム」。
現在の構内図では、下の図の赤枠の部分に「幻のホーム」が存在しています。
ライバル会社の思惑が交錯した新橋駅
銀座線は、もともと、浅草から新橋までの路線をつくってきた「東京地下鉄道株式会社」(以下「地下鉄道」)と、渋谷から新橋までをつくってきた「東京高速鉄道株式会社」(以下「高速鉄道」)の、ふたつの会社の地下鉄路線が合わさってできた路線です。
浅草から地下鉄を掘ってきた「地下鉄道」は、1934年(昭和9年)に新橋駅を開業。当初、新橋から先は品川方面に向かって地下鉄を掘り進める予定でした。
昔の地下鉄路線の建設予定図(下の図、北が右)を見てみると、たしかに、赤色の「地下鉄道」の建設予定路線は、新橋駅先の田村町(現在の西新橋)あたりから南に向かって進むことになっています。
一方、渋谷から地下鉄を掘り進めてきた「高速鉄道」は、1939年(昭和14年)の1月に新橋駅を開業。新橋から先は、当時の都心部であった銀座、日本橋、そして大歓楽街であった浅草まで電車を走らせたいとの考えから、地下鉄道との相互乗り入れを当初から目論んでいました。
ライバルの地下鉄会社によってつくられた2つの新橋駅。当時は乗り換える際もいったん改札を出なければならず、かなり不便だったようです。
その後、1939年(昭和14年)の9月には相互乗り入れが決定し、わずか8カ月間だけ使用された高速鉄道の新橋駅ホームは閉鎖され、幻のホームとなりました。
さきほど紹介した昭和14年8月3日の新聞記事は、その直通運転が開始されることを伝える新聞記事だったというわけですね。
閉鎖される以前、高速鉄道の新橋駅は渋谷方面からきた電車を折り返し運転させるための駅としてつくられました。現在は、銀座線の車両の留置場所として利用され、車止めの標識が設置されています。
なお、新橋駅のリニューアル工事により、現在使われている新橋駅の渋谷行きホームは、混雑緩和対策として延長され、ホームが広くなる見込みです。
リニューアル工事が完了したあかつきには、幻のホームを一般に開放できるような形に、という構想はありますが、あくまで未定。ここはひとまず、朗報をお待ち下さい。
次回の銀座線探偵団も乞うご期待!
現在、旧新橋駅ホームは公開しておりません。駅へのお問い合わせはご遠慮ください。
参考資料:「メトロ誕生」中村建治(交通新聞社)/「営団地下鉄五十年史」帝都高速度交通営団編/「東京地下鉄道史」東京地下鉄道株式会社編/朝日新聞
東京メトロ 銀座線リニューアル情報サイト
2017年12月30日で浅草駅~上野駅間の開通90周年を迎える「地上にもっとも近い地下鉄」である銀座線は、現在、改良工事!東京メトロ銀座線の秘密を紹介していく「銀座線探偵団」 ⇒http://www.tokyometro.jp/ginza/