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「巨人・篠原慎平投手はやっぱりいい人だった」松本秀夫の球界よもやま話

By - 松本 秀夫  作成:  更新:

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提供:産経新聞社

フリーアナウンサーの松本秀夫です。野球実況歴30年、このコーナーでは喜怒哀楽、さまざまな心に響く球界よもやま話をご紹介します。

一回目の今日は巨人のフレッシュな話題から。

「少し名前が売れると、人が変わってしまう選手もいるけど、彼はそうじゃない感じがしますね」

チームスタッフの方をしてそう言わしめたのは、巨人・篠原慎平投手(26)。四国アイランドリーグから2015年、育成選手として入団。

2017年の4月17日に支配下選手になるや、翌18日には1軍登録、19日の鹿児島鴨池球場ヤクルト戦では先発・高木勇人投手の負傷降板を受け、急きょマウンドに上がると3回を無失点に抑えてプロ初勝利をマークしたシンデレラボーイです。

提供:産経新聞社

初勝利の翌日、高橋由伸監督も「横から見ていてもストレートには力がありましたね」と目を細めていましたが、彼の最大の武器は186センチの長身から投げ下ろす150キロのストレート。それもテンポよくベース盤の上に投げ込んできますから実に小気味いい。

そして彼を応援したくなるのは、前出のスタッフが言う『人柄』。取材でも実に誠実に答えてくれるんです。

「独立リーグで苦労をしたからなのか、浮わついたところがないよね」

と話してくれたのは尾花投手コーチ。

観衆が少なく、しかも自分で券売さえもやらなくてはいけないと言われる独立リーグに比べれば巨人の1軍は天国。這い上がってきた選手の「ここで絶対に成功してやる」ってモチベーションは、苦労知らずの選手のそれとはくらべものにならないと思います。

もちろんまだやるべきことは山積。現状ブルペンでは10~15球投げれば肩が出来上がるといいますから、ベンチとすれば使い勝手がいい。

でもそれは「ほぼストレートだけの投球だからすぐ出来上がる。変化球の精度を求めるようになればもっと球数が必要になりますよ」と田畑投手コーチが話すように、彼の課題と裏腹です。

提供:産経新聞社

「変化球はスライダーとフォークボールがあるんですけど、どちらも磨いていかないと1軍で抑えるのは難しいです」

本人もそのあたりは十分認識している様子。

ちなみに私がこの話をきいたとき、彼は肩に荷物を担いでいたのですが、「これを置いてきてからでいいですか」といったんその場を離れ、すぐにまた戻ってきて腰を据えてくれました。やっぱりいい人だ(笑)

4月29日の戦いでは2点を失い黒星を喫しましたが、「深夜0時を越えたら前の日のことは考えないように気持ちを切り替えてます」とも。

まだ顔にはニキビの残る若者ですがその心意気やよし。

鬼門とされる7回に篠原投手が定着することも巨人浮上の鍵のひとつかもしれません。

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スポーツアナウンサー 松本秀夫

松本秀夫 元ニッポン放送アナウンサー。17年4月よりフリーランスに。野球の実況を中心にバラエティー番組、執筆、イベント制作まで活動の幅を拡げている。趣味は釣りと、釣魚でやる一杯。

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