東急電鉄の券売機がATM代わりに 駅でお金を引き出せる日本初サービス
公開: 更新:

※ 写真はイメージ

AQUOSが重くなったらシャープ推奨の再起動手順を試してGoogleの『Android OS』を搭載したテレビは、インターネットに接続することで、さまざまなコンテンツを楽しめます。「毎日のように利用している」という人もいるでしょう。しかし、Androidを搭載したテレビは、ス...

スマホ画面が割れたら どこに修理を頼むべきか プロが解説みなさんはスマートフォンを大事に使っているでしょうか。今やスマホは生活必需品のようになっており、使えなくなると困りますよね。しかし、落として画面が割れてしまうこともあるはず。軽微な損傷なら「仕方ない。このまま使おう」とな...






ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
切符だけじゃない!預金をおろせる券売機が登場
スイカやパスモが普及するずっと前から『パスネット』というプリペイドカードを利用できるようにするなど、先進的なサービスをいち早く取り入れてきた東急電鉄。なんと今度は、各駅にある切符を買うための『券売機』を、お金を引き出すいわゆる『ATM』代わりにしてしまうサービスを登場させるそうです。
東京急行電鉄株式会社は、株式会社横浜銀行、株式会社ゆうちょ銀行、GMOペイメントゲートウェイ株式会社の協力のもとに、東急線各駅の券売機で銀行預金の引き出しができるキャッシュアウト・サービスを開発し、2019年春のサービス提供開始を目指すと発表しました。駅の券売機におけるキャッシュアウト・サービスは、日本初の取り組みだそうです。
使われなくなった券売機を「ATM」に変える逆転の発想
気が付けば、最近私たちはスイカやパスモで電車の乗り降りをすることが圧倒的に多くなってきたため、駅の券売機で切符を買うことは少なくなっているのではないでしょうか。ということは、券売機は昔に比べてあまり使われなくなっていということに。
それでも安全確認や乗り越し精算のために、駅から券売機をなくすわけにはいきません。稼働率が下がっても維持コストは変わらない、というのが各鉄道会社にとって悩ましいところでしょう。
にもかかわらず、駅には必ず券売機は必要です。だったら券売機を銀行のATMにしてみたらどうか?そう考えた人は天才ですね。考えてみると切符の券売機は、銀行の預金残高データとつながっていないことなどを除けば、機能的には似たようなしくみになっているのではないでしょうか。
現金を受け渡しするための機構や、タッチパネルによる操作インターフェースなど、券売機とATMには共通点が多くあります。既存の設備をそのまま活かせる点が、このアイデアの現実的な強みといえそうですね。
生活動線上で現金が引き出せる利便性
東急電鉄の発表によれば、券売機がATM代わりになることにより、わざわざATMなどに立ち寄らずに、生活動線上にある東急線各駅の券売機で現金を引き出すことができるようになり、駅の利便性が向上するとのこと。
毎日通勤・通学で使う駅で、ついでにお金を下ろせるとなれば、銀行やコンビニATMへの寄り道が不要になります。忙しい朝や帰宅ラッシュの中でも、改札周辺で手軽に現金を入手できるのは、多くの人にとって助かるサービスですね。
今回のプロジェクトリーダーを務める東急電鉄の八巻善行さんはこう語ります。
キャッシュレス化が進めば進むほど、逆に「現金が必要な瞬間」に困るケースが増えるという逆説は、多くの人が実感しているところではないでしょうか。駅という日常の拠点に現金引き出しの機能を持たせることで、その不安を解消しようという発想は理にかなっています。
QRコードで操作する「銀行Pay」のしくみ
今回のキャッシュアウト・サービスには、2016年にGMOペイメントゲートウェイ株式会社が横浜銀行と共同で開発した『銀行口座と連動したスマホ決済サービス=銀行Pay』というシステムが活用されます。
『銀行Pay』は、スマートフォンアプリで、事前に引き出し金額の申請を行い、表示されたQRコードを券売機の読み取り機にかざすことで、横浜銀行やゆうちょ銀行など提携金融機関の預金の引き出しを可能にするサービスになります。つまり現在の銀行ATMを利用する時のようにキャッシュカードや暗証番号などすら必要ないとても安全なしくみが導入されての実現となります。
キャッシュカードを財布に入れ忘れた、という経験がある人にとっては特に心強いサービスです。スマートフォンさえあれば現金が引き出せるため、カードの紛失リスクや暗証番号の入力ミスといったトラブルとも無縁になります。ただし、スマートフォンのバッテリー切れには要注意です。
2018年の実証実験を経て、2019年春に本格展開へ
2018年度中に、東急線の一部の券売機で横浜銀行とゆうちょ銀行のスマートフォンアプリを活用した実証実験を実施。2019年春の東急線各駅でのサービス提供開始を予定しています。
その後は、他事業者が本サービスの仕組みを活用することにより、東急線沿線以外でのサービス提供についても検討を進めるとのことです。
東急線だけにとどまらず、全国の鉄道各社や商業施設などへの横展開が実現すれば、日常の中に「現金を引き出せる場所」がぐっと増えることになります。まずは東急線沿線での使い勝手がどう評価されるか、実証実験の結果が注目されるところです。
地方の「ATM空白地帯」を救う可能性も
国内では、身近に金融機関やATMなどがなく、現金の引き出しに苦労する地域も多く存在します。こうした生活の中心となる駅での現金の受け取りが可能になることは、大いに地域の課題解決にも寄与できそうだと期待がはずみます。
特に地方の小さな駅では、最寄りのATMまで数キロ以上移動しなければならないケースも珍しくありません。駅という既存インフラを活用してこの問題を解消できるなら、鉄道会社にとっても地域にとっても、一石二鳥の取り組みといえそうです。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。