淡口醤油と濃口醤油、どう使い分ける? キッコーマンの回答に「そうだったのか」
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日本が誇る万能調味料である醤油。
醤油には『うすくち』と『こいくち』などの種類がありますが、これらは何が違い、どのように使い分ければいいのでしょうか。
江戸時代から醤油造りを続けている、キッコーマン株式会社(以下、キッコーマン)に取材しました。
醤油を種類で分類すると?
キッコーマンにうかがったところ、まず『うすくちしょうゆ』は漢字で『淡口醤油』と書くとのこと。
醤油の分類については、『日本農林規格等に関する法律』(JAS法)に基づく『しょうゆの日本農林規格』があります。
『しょうゆの日本農林規格』では、種類、製法、等級によって以下のように醤油を分類しています。そのうち、種類による分類が以下の通りです。
【醤油の種類の分類】
・濃口(こいくち)醤油。
・淡口(うすくち)醤油。
・溜り(たまり)醤油。
・再仕込み(さいしこみ)醤油。
・白(しろ)醤油。
さらに、『濃口醤油』と『淡口醤油』は、種類による分類で以下のような違いがあります。
濃口醤油
日本の醤油生産量の8割以上を占め、日本全国で親しまれている濃口醤油。
塩味のほかに、うま味、甘味、酸味、苦味を合わせ持ち、透明感のある明るい赤橙色をしています。調理用、卓上用と幅広く使える万能調味料です。
濃口醤油の色味
淡口醤油
淡口醤油は日本の醤油生産量の1割強を占めています。
濃口醤油と比べて色味が淡く、香りのおとなしい醤油で、塩分は濃口醤油よりも1割程度高めです。食材の色合いを生かしたい料理に使われます。
淡口醤油の色味
では、料理のレシピ本で『淡口醤油』と書いてあっても『濃口醤油』を使ってもいいのでしょうか。
キッコーマンに聞いてみたところ…。
上記のとおり、色、味、香りの特徴が異なります。
レシピ本はその料理に最適な醤油を使っていますので、レシピどおりの醤油を使ったほうが、よりおいしい料理に仕上がります。
醤油の使い分けについてアドバイス!
キッコーマンにより詳しい使い分けのアドバイスをもらいました。
濃口醤油は、刺身や冷奴、卵かけご飯などのつけたり、かけたりする料理はもちろん、肉じゃがをはじめとした煮物や炒め物など、どんな料理にも合う万能調味料として幅広くお使いいただけます。
一方、淡口醤油は色が淡いので、素材の色合いを大切にしたい料理におすすめ。
例えば、茶わん蒸しや出し巻き卵などの卵料理を作る時には、卵の色合いがきれいに仕上がります。
穏やかな香りが出汁を引き立てるので、煮物やうどん、お吸い物が風味豊かに仕上がります。
関西風のうどんや、たけのこご飯や若竹煮など、食材の香りを楽しみたい料理におすすめです。
「一般的に淡口醤油は、濃口醤油よりも塩分が高めの商品が多いので、味見をしながら少しずつ足していくといいでしょう」とのことです。
『淡口』『濃口』の中でもいろいろある
最近では同じ『淡口』『濃口』の中でも、客のニーズに合わせていろいろな醤油が登場しているとのこと。
キッコーマン商品の場合、『濃口醤油』といっても、これだけの種類があるそうです。
・『特選 丸大豆しょうゆ』:原料に丸大豆を使った醤油。
・『いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ』:通常は行う、火入れという加熱処理の工程を行わない。色鮮やか、かつさらりとしたうま味が特徴の生醤油。
・『いつでも新鮮 味わいリッチ減塩しょうゆ』:醤油の風味はそのままで、塩分をカットした減塩醤油。
『淡口醤油』もこのような商品があるそうです。
・『うすくちしょうゆ』:料理を淡い色に仕上げる調理用の淡口醤油。
・『いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ』:通常の醤油と違い、火入れをしていない淡口醤油。
キッコーマンによれば、『淡口醤油』と『濃口醤油』は製法や使いどころも違うので、「醤油の使い分けをお楽しみください」」とのこと。ぜひ参考にしてみてください。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]