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「初春を迎え、新春気分で」 さて、いま『初春』をどう読みましたか?

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。

初春を迎えて… アナウンサー押阪忍の『美しいことば』

明けましておめでとうございます。

新年・初春を迎えました。相変わらずの拙文ですが、今年もお付き合いのほど、どうぞよろしくお願い致します。

さて、今皆さんは、「初春」をどう読まれましたか?

普通は初春はつはるですよねぇ…。でも「初春の候」と書くと、書式の場合は初春しょしゅんと読むようです。

ことほど左様に、日本語は『音』と『訓』の読み方があり、時には戸惑うこともあります。

そこでお正月でもあり、気がつくまま、春の読み方を掲げてみましょう。

  • 春季しゅんき』これは大運動会、大売り出しなどで使います。
  • 春期しゅんき』は休暇、防火運動などで。『陽春ようしゅん』→の候などと。
  • 春先はるさき』→の風は冷たい。
  • 早春そうしゅん』→山野にも春が…。
  • 浅春せんしゅん』→爽やかな空気など。
  • 初春しょしゅん迎春げいしゅん』…正月の異称です。
  • 晩春ばんしゅん』→の大和路など。
  • 暮春ぼしゅん』→山あいの村の風景など。
  • 『行くはる』…を惜しむ。
  • 常春とこはる』→いつも春のような気候。常夏についで使いますね。
  • 今春こんしゅん』→大学を卒業した。
  • 昨春さくしゅん』→就職した。
  • 来春らいはる』→には是非お越し下さい。
  • 明春みょうしゅん』→早々にお伺いします。
  • 翌春よくしゅん』→まで契約を実行する。

などなど。

春の一文字でも時と場合により、『音』と『訓』を使い分けるという日本語の繊細な使い方や、慣例、しきたりがあるのですねぇ…。

これは春に限らず夏、秋、冬にもあります。

今回は、お正月→初春はつはるに当たり初春しょしゅん気分で 『春』を集めてみました。どうぞ皆様、より良い一年でありますように…。

<めでたさも 中くらいなり おらが春> 一茶

<酒も好き 餅も好きなり 今朝の春> 虚子

<2018年1月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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