『ハリー・ポッター』が海外の学校図書館から排除された、意外な理由
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ニッポン放送で『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
ハリー・ポッターに「本当の」呪文が書かれているとして学校図書館から本が排除された!?
地元の報道によると、アメリカテネシー州ナッシュビルにある聖エドワード・カトリックスクールで、『ハリー・ポッター』のシリーズ小説について、「同書に描かれた呪いは本物で悪霊を招く」と神父がいいだし、図書館から本がすべて撤去されたと話題になっています。
ウィキペディアによれば、『ハリー・ポッターシリーズ』(Harry Potter)は、イギリスの作家J・K・ローリングによる世界で読まれている人気児童文学シリーズのひとつ。1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語です。
※ 写真はイメージ
第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』が1997年に出版されて以来、世界的なベストセラーに。2001年からは映画化もされて、現在までに書籍7巻(後日談を描いた『ハリー・ポッターと呪いの子』も入れれば8巻)、映画も8本が公開(ファンタスティック・ビーストも入れれば9本)。
さらにはフロリダのユニバーサルリゾートや日本のユニバーサルスタジオジャパンなどでもテーマパーク化もされて、大人気になっています。
日本人からすれば『ハリーポッター』は世界の誰もが愛するものがたりだと思って疑わないでしょうが、実はそうでもないんです。
これまでも物語のストーリーやテーマがキリスト教やイスラム教の教えに反することが書かれているとして国際論争を巻き起こしたことが何度もあったそうです。また2006年にはアメリカで、21世紀に入ってもっともクレームの多い図書として選ばれたりと、いわくつきの小説なんだそうです。
そんな『ハリーポッター』シリーズについて、第1巻が出版されてから20年もたとうとしているところに、聖エドワード・カトリックスクールの生徒の親御さんから学校に問い合わせがあったそうです。
聖エドワード・カトリックスクールは、日本に置き換えれば幼稚園児から中学2年生までが通っている地元の有名学校です。ここのダン・リーヒル神父が、保護者からの問い合わせを受けて改めて本を読んで調べたところ、あることが明らかになったそうなんです。
※ 写真はイメージ
それは、本に登場する呪いや呪文は実際の呪いと呪文だったということ。これを人間が読むと、読んでいる人の存在に悪霊を誘惑する危険があるかもしれない。そこでダン・リーヒル神父は、地元やローマのエクソシストと相談をした上で、図書館から『ハリーポッターシリーズ』の本をすべて撤去することを学校に指示したそうなんです。
実話をもとにした小説というのは数々ありますが、小説に書かれたことが実際に起きる、架空のことが現実になるというのはなかなかないことです。しかし、日本でも以前ある書物に書いてあることが世の中を予言しているといい出して大騒ぎになったことがありました。それが『ノストラダムスの大予言』。
16世紀のフランスで、医師で占星術師のノストラダムスが著した『予言集』(初版1555年)には『1999年7の月に恐怖の大王が来るだろう』と書かれていて、これは1997年に空から何かが降ってきて人類は滅亡することを予言しているに違いないと、当時ルポライターだった五島勉氏が『ノストラダムスの大予言』(祥伝社)として出版。
これが250万部を超す大ベストセラーとなり、日本人の多くが1999年に何かが起きると信じていました。
でも実際に1999年の7月には何も起きず、そのまま忘れ去られることとなりましたが、日本のように宗教に疎い国ですら、こうしたことが社会現象にまで発展するのですから、アメリカで『ハリーポッター』の呪文が現実に使えることが分かったなどとなっても不思議ではないのかもしれません。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。『三宅裕司のヤングパラダイス』『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターを務める傍ら、『十回クイズ』『恐怖のやっちゃん』『究極の選択』などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 『ソネットチャンネル749』(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ『Livly Island』では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。