『不揃いバウム』の揃っている部分はどこへ? 無印の回答に「そんな努力が」「素敵」
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『無印良品』の大人気商品の1つである『不揃いバウム』。2017年の発売以来、幅広い世代に親しまれてきました。
味の種類がたくさんあり、選ぶ楽しみがある本商品ですが、「なぜ『不揃いバウム』という名前なの?」「そろった部分がまた別にあるってこと?」と気になったことはありませんか。
『不揃い バナナバウム』(無印良品提供)
そんな疑問を解決すべく、『無印良品』の商品を製造・販売している株式会社良品計画の広報・開発担当者に聞いてみました。
『不揃いバウム』の由来とは?
――人気商品『不揃いバウム』は、あまり不ぞろいには見えない。どこか不ぞろいなのか?
現時点で発売されるバウムの製法としては、まず焼いた『筒状』のバウムを等分して『棒状』にし、さらにそれを横に7等分して『スティック状』に切っています。これが『不揃いバウム』の形です。
しかし、等分はされているものの、若干焼き色も形も不ぞろいになるんです。
通常バウム作りでは、きれいに作るために「焦げ目の感じが違う」「丸みが違う」という理由で一部分が切って捨てられることもありました。
これでは「味は変わらないのにもったいない」ということで、不ぞろいの部分も含めて売るというところから生まれた商品です。
つまり、焼き色が強かったり、丸みを帯びていたりするところが『不揃い』ということですね。
※写真はイメージ
――そろった部分が別にあるわけではないとは…。では、『不揃いバウム』の名前の由来は?
『不揃いだけれど味は変わらずおいしい』という意味合いを込めています。
もともと、『無印良品』の商品開発の考え方の1つに、『工程の点検』というものがあります。
商品本来の質に関係のないムダな作業を省いて必要な工程だけを活かすという考え方で、これに基づいています。
――そもそも『不揃いバウム』を作ったきっかけは?
『不揃いバウム』の発売以前も、いろいろな味のバウムは売られていました。しかし当時はリング型などもあり、値段や大きさ、形もバラバラだったんです。
お客様に選んでもらいやすくするのに店舗での価格が統一されていたほうが、値段を気にせず「今日はこの味食べたい」と選んでもらえるのではと考え、値段をそろえたいというところから始まりました。
ただ、高い値段にそろえるとお客様にとっては改悪になってしまうので、値段も抑えつつ選んでもらいやすくするにはどうすればいいかと考える必要がありました。
そこで、コストダウンの打開策を見つけるために、当時の担当者が実際にメーカーの製造現場に足を運び、話し合いを重ねていくうちに『味は変わらないのに捨てられている部分』に着想を得たというわけです。
『特大バウム』(無印良品提供)
――『不揃いバウム』の累計売上数はどれくらい?
2023年12月現在、おかげさまで、2017年の『不揃いバウム』発売以降、累計約1.2億個をご購入いただいております。
『不揃い 宇治抹茶バウム』(無印良品提供)
――種類豊富で期間限定商品も多い『不揃いバウム』。大人気商品になった理由は?
まずスティック型なので、かばんに入るサイズで持ち運びやすい、食べやすいというところがお客様が手に取りやすいポイントだと思っています。
あとは選べる楽しさが一番です。バウムだけでこれだけの種類をそろえているところは業界でもほとんどないと思います。
『季節限定 不揃いバウム ホワイトチョコがけいちご』(無印良品提供)
そのほか、新作を作る際は以下のような点も意識しているそうです。
既存のバリエーション以外にも、季節限定・チョコがけなど多種多様です。新作や限定商品を作る際は、お客様のニーズを考えた工夫もしています。
夏なら冷やして食べたり、かぼちゃバウムにチーズかけてトーストしたりするなど、アレンジレシピを楽しめるのも魅力の1つです。ぜひ楽しんでみてください。
『かぼちゃのバウムクリームチーズトースト』(無印良品提供)
形を変えながらも愛されてきた無印良品の『バウム』。取材では、無駄な廃棄をできるだけなくそうという企業努力を垣間見ることができました。
開発担当者いわく、『不揃いバウム』をよく見てみると、濃い焼き色や端が丸い部分が特徴の『アタリ』が混ざっているとのこと。
くじを引く感覚で選んでみるのも楽しみ方の1つかもしれませんね!
[文/キジカク・構成/grape編集部]