『干し柿』の作り方 自宅で実際に作ってみると?
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冬になると軒先に吊るされるオレンジ色のカーテン。干し柿づくりの風景は、毎年ニュースにもなり田舎の冬の風物詩にもなっています。
干し柿は、ビタミンAやカロチン、食物繊維やカリウムも豊富な超健康食!
「柿が赤くなれば医者が青くなる」
と、例えられるくらい栄養価が高く、風邪の予防、高血圧や脳卒中の予防、二日酔いにも良いと言われています。生の柿は体を冷やしますが、干し柿は内臓を温めるので、疲れを癒す効果も。
実は、そんな干し柿を自宅で作ることができるって知っていましたか?
特に変わった道具もいらない、干し柿の作り方をご紹介します!
干し柿作りのため、渋柿を求めて…家庭訪問!
まず、干し柿を作るために柿を用意します。
渋柿で作るのが一般的ですが、スーパーで売っているような甘柿でも作れます。ただ、渋柿の方が実も大きく、甘いため、干し柿作りには向いているのだそうです。
出典:YouTube
さて、渋柿と言っても柿の木がある家なんて、そうありませんよね。私の家にも、柿の木なんてありません。
そこで、カラスについばまれているような柿の木を見つけたら、勇気を出して所有者宅に訪問してみましょう。どうせカラスのエサになるくらいなら、私が美味しくいただきます!
インターホンを押し、訪問理由を伝えると、大体「え、干し柿作るの?変わっているわね」と言われますが、めげてはいけません。不審者扱いされなかっただけ、ありがたいと思いましょう。
今回お尋ねしたお宅では「カラスも集まってくるし、熟した柿が落ちて汚れるから、好きなだけ持って行って」と、快く許可をいただきました。
収穫するときは、熟しすぎていない少し硬めの柿が最適。柿の実に枝を残しておくと、後で干しやすいですよ。
通り道に柿がなっているからと、無断で実をとるようなことは絶対にしないでくださいね。
渋柿を頂いた方の中には、「ひと声かけてくれれば、あげるのに。勝手に持ってかれるのは、気持ちよくない」という、ごもっともな意見も。
最近では、八百屋さんでも干し柿用の渋柿を売っていることもあるので、購入するのもいいかもしれません。
さぁ、渋柿を手に入れたら、さっそく干し柿を作っていきましょう!
干し柿の作り方 用意するもの
最初に柿の皮を少し厚めに剥いていきましょう。柿を10個以上剥くと、腱鞘炎になりそうなほど疲れます。沢山作りたいときは…頑張ってください!
出典:YouTube
剥き終わったら、枝に紐を巻き付けていきます。もし枝がついていなければ、実の上の方に竹串を刺し、そこを紐で結びましょう。
干し柿作りにカビ対策は重要
紐を結んだら、グラグラと沸騰したお湯に柿をダイブ、5~10秒ほどサッと熱湯に通します。これは殺菌消毒のためで、熱湯につけることでカビが生えにくくなる効果が!
干し柿づくりにとって、カビは天敵!「いかにカビを発生させずに作るか」が成功のカギとなります。
出典:YouTube
熱湯消毒後、霧吹きに度数の高いお酒をいれ、まんべんなく吹き付けるとさらに効果的です。また、平均気温が20度を下回る頃から作ると、カビが生えにくいそうです。
後は、濡れたまま風通しのいい場所に、柿同士が触れないように干します。私は洗濯物のように、物干し竿に吊るしました。
濡れるとカビが生えやすくなるので、雨が降りそうなときは、お部屋に避難させてください。取り扱いは、ほぼ洗濯物と一緒です。
お部屋に干していても作れますが、やはり人間の過ごしやすい環境では、カビも発生しやすくなります。極力、風通しが良く、気温の低い外に干すようにしてください。
ただ、近所からは好奇の目で見られることになります。私の場合、近所のニャンコが不審そうな目で干し柿を眺めていきました…。
干し柿の作り方 裏技は揉み込み!
一週間ほど干すと、表面が乾燥してきますので、軽く柿を揉み込んでください。
揉み込むことで、内部の渋味が抜けやすくなり、早く食べられるようになります。その後、3日に1度くらい揉み込むと完成を早めることができます!
量が多いと大変ですが、このひと手間、結構重要です。
そして、完成!
3週間くらいすると、渋味がスッキリ抜けて、中身トロトロな干し柿の完成です。砂糖も使っていないのに、なんでこんなに甘くなるの?というくらい、自然の甘みを感じることができます。
硬い干し柿がお好みの方は、さらに1、2週間干しておいても大丈夫です。
食べ頃になってきたら、毎日一つずつ食べていくのもいいかも。日に日に硬さの変わっていく干し柿を楽しめるのは、手作りならではの贅沢です!
硬くしたくない人は、出来上がった干し柿を一つずつラップで包み、冷凍してもいいそうです。解凍する時は、レンジなど使わず自然解凍するようにしてください。
干し柿作りの一連の作業を、動画でご覧ください。
最後にカビが生えてしまった時の対処法、干し柿トリビアなどをご紹介します。
干し柿がカビてしまったら…
どんなに気を付けていても、知らない間にカビが発生してしまうことがあります。特に連日雨が降り、部屋で干している時に発生します。赤丸がついている、小さい黒い点がカビです。
「カビが生えてしまった、もう捨てなければ…」となるのは、ちょっと早い。
この程度の小さいカビなら、綺麗な綿棒に度数の高いお酒をつけて、ふき取ってしまいましょう。
小さなカビなら、簡単に取り除くことができます。あまりにも大きくなってしまったら、その時はスッパリ諦めて、捨てましょう!食べてお腹を壊したら、元も子もないですからね。
干し柿作りに使う渋柿のあれやこれや
さて、渋さの代表的な果物「渋柿」が、どうして干すだけであれほど甘くなるのでしょうか。
もともと、渋柿は糖度が高く、他の果物と比べてもその甘さはダントツだと言われています。
メロン 14~18度
リンゴ 12~16度
もも 12~15度
甘柿 15~18度
渋柿 20度
こう見ると、とても甘そうに思えますが、渋柿はお茶などに入っている渋み成分、タンニンを大量に含んでいます。しかも、渋柿のタンニンは可溶性(水に溶けやすい)のため、唾液にすぐ溶けて甘みより先に物凄い渋みを感じることになってしまうのです。
しかし、干して乾燥させることで、タンニンが凝固し不溶性(水に溶けない)タンニンに変化。渋柿本来の甘さだけを感じることができるようになります。
出典:YouTube
昔の人はこのことを経験から、知っていたんでしょうね。
文献によると、干し柿は祭礼用の菓子として平安時代(794~1192頃)には存在していたそうです。砂糖もろくになかった時代、干し柿の甘さは重宝されていたようです。
完成までに少し時間はかかってしまうものの、自分で作った干し柿の何とも言えぬ自然の甘さ。無添加の極甘干し柿を味わったら、癖になってしまうかもしれませんよ。
もし機会があれば、干し柿づくりを試してみてはいかがでしょうか?