キムチ専門店、ハクサイの端材が行く先は? 驚きの場所に「びっくり」「マジか」
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知り合いのキムチ職人と一緒に店をオープン
手作りのキムチにこだわり、サステイナブルな取り組みをおこなう、『おつけもの慶』。
店舗を運営する有限会社グリーンフーズあつみの社長、渥美和幸(あつみ・かずゆき)さんに、創業のきっかけやSDGsに関する取り組みについて話を伺いました!
渥美和幸さん
『川崎生まれ、川崎育ち』の渥美さんは、子供の頃から家業の青果店の配達をしていました。1991年に入社後は、市内のいくつかの飲食店に野菜を卸す仕事を担当していたといいます。
中でも、卸先の1つの店で働いていた人物が『おつけもの慶』のオープンに深く関係していたそうで…。
とある焼肉店のチーフを務めていた、城野勝さんという人に影響を受けました。
僕が10代の頃からの知り合いでして、おいしいキムチ作りのノウハウを持っていたんですよ。
城野さんの作るキムチは絶品で、本当においしかったです。
キムチ職人の城野勝さん
渥美さんが、キムチを作ろうと考え出したのは、1990年代の半ば。
当時の川崎市は、朝鮮料理を提供する飲食店や、韓国の食材を取り扱う店が集まる『川崎コリアタウン』の店舗が減少していて、客がどんどん少なくなっていた時期だといいます。
将来的に川崎市から人がいなくなってしまう可能性に危機感を覚え、何か新しい事業を始めたいと考え、思いついたのがオリジナルキムチの販売でした。
キムチは、子供の頃から食卓に並ぶぐらい、川崎市では日常的な食べ物。なくなってしまうのはさびしいですから、それなら「自分たちで作って川崎を盛り上げよう」と城野さんと一緒に始めてみることにしたんですよ。
城野さんとともにオリジナルキムチの開発に取り組んだ結果、2003年、川崎市渡田新町に『おつけもの慶』第1号店がオープン。
当初こそ苦戦を強いられたものの、徐々に「職人の手作りのキムチがおいしい」と口コミで広がり、話題になりました。今や、通販サイト『楽天市場』への出店を皮切りに、全国から注文が相次ぐ人気店に成長しています。
2022年、城野さんが逝去されてからは、技術を継承した後輩の職人たちがキムチの味を守り続けているそうです。
キムチ専用のステンレスポットがある?
食品の製造過程でどうしても発生してしまいがちなのが、野菜の皮や果物の種などの産業廃棄物。
『おつけもの慶』でも、ハクサイの端材などの処理に年間100万円以上かかる計算になっていたそうです。
キムチの製造では、おいしい部分の葉や食べられない硬い芯などが端材として出てしまいます。
工夫すれば食べられるため、もったいないと感じ、別の商品に再利用しようか考えたこともありましたが、最終的には動物園に寄贈することに。
当時、アルバイトの子が配達に行ったついでに動物園の職員に声をかけてくれて、「持ってきてほしい。むしろありがたい」とOKをもらえたんですよ(笑)。
お金をかけずに端材を処理できるだけではなく、動物園も嬉しいため、まさに『一石三鳥』の取り組み。
バイオマス製の袋への転換も「もったいない」という気持ちで始めたことだといいます。
以前は、プラスチックのパックにキムチを詰めて、販売していましたが、実はパックってかなり在庫の管理が大変なんですよ。
そもそも置き場所に困りますし、店頭に並べる際も面倒。
それに、パックだと家庭でゴミを出す際も、かさばってしまいますよね?
エコで金額も安いため、バイオマス製の袋に変えたほうが私たちもお客さんもWin-Winだと気付いて、導入した次第です。
また、『おつけもの慶』では、プラスチック削減のためにキムチ専用容器の『K-pot』も販売しているとのこと。
ステンレス製で冷蔵庫でよく冷えるため、キムチの保存に最適。おまけに大島上町店限定で、『K-pot』を持参すると『白菜キムチ』が通常価格で20%増量してもらえる、お得なサービスが付いてくるのです!
多岐にわたる『おつけもの慶』の取り組み。
地産地消の一環として『のらぼう菜』『葉ニンニク』など川崎市で採れた野菜を使った創作キムチや、川崎市立川崎高等学校の生徒と協力したオリジナルキムチの企画開発、製造を手掛けています。
高校生考案のキムチ
また、『おつけもの慶』は、従業員にとって働きやすい環境が整えられていることでも、高い評価を受けているとか。
実際にキムチの製造現場では、国籍、言語、年齢問わず、さまざまな人が働いていました。
川崎市は、多文化共生の街ですから、歩いているとさまざまな国籍の人を見かけるでしょう。
私は祖母や父から「差別は絶対にいけない」と教えられてきました。
祖母の時代から在日韓国人の人々は、差別の対象でして、買い物をしようものなら店から追い出された…なんて話も少なくなかったそうです。
しかし、青果店を営んでいた祖母は、日本人のお客さんと同じように在日韓国人の人々に接客していたといいます。
第二次世界大戦時、川崎市でも空襲があり、一面が焼け野原になってしまいました。
祖母も無一文同然になってしまったのですが、その時に衣食住の面倒を見てくれたのが、在日韓国人の人々だったそうです。
祖母の話が関係しているかは定かではありませんが、一緒に働く上で国籍や言語、年齢なんか関係ないと私は考えています。
もちろん、コミュニケーションや文化の違いは認識して、失礼にならないよう気を付けないといけないですけどね。
「やってきたことがたまたまSDGsに合致した」
SDGsの取り組みが評価される『おつけもの慶』ですが、会社を運営していく上で「別に意識していない」と渥美さんは語ります。
動物園への寄贈もバイオマス製の袋も、SDGs活動の一環でおこなってはいません。
今の自分たちで持続して実践してきたことが、たまたまSDGsの目標に合致したという認識です。
私見ですが、日常的に取り組める、かつ費用がさほどかからない取り組みではないと、SDGsの活動は続かないと思います。
大きな企業のSDGs活動を見ても、1年目は取り組めても、次年度以降は予算がなくて難しい…という事例も珍しくはありません。
面白い取り組みなら、多くの人は興味を持ってくれます。
深く考えずに「いいことをしていれば、いいことが返ってくる」という認識でいると、意外と継続できるものです。
『おつけもの慶』の取り組みで、楽しさの輪が広がって、多くの人がキムチに興味を持ってくれれば、いずれは人々の役に立つのかもしれませんね。
渥美さんのお話からは、「環境のため」というよりも「とりあえずやってみよう」といった動機で取り組む姿勢が見えました。
夢のある『おつけもの慶』の取り組みを見てみると、ワクワクしますよね。
気になる人は、『おつけもの慶』を訪れてみてください。
本格的なキムチを楽しめるだけではなく、地球の環境を考えるいいきっかけになるかもしれませんよ!
【おつけもの慶 大島上町店】
住所:神奈川県川崎市川崎区大島上町18ー1
電話番号:044-366-7737
定休日:日曜・祝祭日
営業時間:10時~17時
『おつけもの慶』ギネス記録に挑戦へ!
2025年2月16日、『おつけもの慶』がギネス世界記録に挑戦!
王道1番人気の『白菜キムチ』を2千500個販売し、『8時間で最も販売されたキムチ』の記録の更新を目指すといいます。
購入者には、記念グッズの配布、ギネス世界記録限定ノベルティが当たる抽選会を実施予定。
歴史的瞬間を目撃したい人は、足を運んでみてはいかがですか。
【イベント概要】
日程:2025年2月16日
時間:11時〜19時
住所:神奈川県川崎市川崎区駅前本町26番地2 川崎アゼリア サンライト広場
買い方ルール:1回の購入は10個まで(決済は現金のみ)
[文・構成/grape編集部]